極めて低含量の処方での含量均一性確保について①

特に低含量の処方では、含量均一性の観点から直打は難しいと言われています。含量均一性を確保するには、乳糖の粒子設計と適切な原薬の粒子サイズが鍵となります。

 


コネクティング・マインド ウェビナーシリーズでは、直打に関する技術プレゼンテーションをいくつかご用意しております。そこで、低含量処方の直打を実現するために、「含量均一性確保への対策」を提案していきたいと思います。今回、第一回目は、ラクトースの粒子設計と原薬の粒子サイズの
2点についてご紹介します。

特に低含量域には、原薬含量が少ないため、含量均一性を得られにくいことがあるから、直打は難しいと言われています。この課題に対して、造粒した直打用乳糖の使用を、添加剤からの対策として推奨いたします。

低含量処方の直打では、三つの懸念事項があります。1つ目は、直打法では、原薬の偏析が湿式造粒より、起こりやすい、2つ目は、均一な混合が難しい、3つ目は、薬物と同じサイズの添加剤が求められることです。また、直打法のメリットを示すため、局方要件を従って、含量均一性を確保できる直打のケーススタディもご用意しております。

含量均一性を確保するためのラクトース粒子設計をご紹介します。スプレードライ乳糖は、細かい結晶乳糖の懸濁液を噴霧乾燥して、得られた製品です。当製品は、球形粒子で、粒子表面は微細な空隙があります。造粒乳糖は、細かい結晶乳糖を流動層造粒して、得られた顆粒製品です。粒子表面には多くの隙間が存在しています。両製品は、いずれも凹角の表面構造を持っており、粒子と粒子あるいは粒子と壁の間の摩擦作用が低いため、流動性に優れています。また、細かい一次乳糖粒子により、良好な成形性も保っています。

なぜ、含量均一性の確保に、添加剤の流動性が役立つのでしょうか?理由は、2点あります。1点目は、流動性による解凝集効果です。流動性のいい添加剤を使う時、混合機の回転により、粉体層は急激に動いています。それによって原薬の凝集体を均一に分散させることができます。流動性の悪い添加剤の場合、粉体層はほとんど動かないので、原薬が均一に分散するまで、手間と時間がかなりかかります。

2点目は、表面のポーラス構造による安定性の向上です。原薬の微粒子は、添加剤の表面のポーラス構造に挟み込まれることによって、工程内の偏析を防ぐことができます。添加剤の滑らかな表面には、原薬と添加剤の付着力が弱いため、混合およびその後の工程には、偏析が起こりやすくなります。

なお、低含量処方への含量均一性を確保するための、3つの対策をご紹介します。1つ目は、適切な添加剤の選択です。先ほど、申し上げたように、流動性のいい添加剤が望ましいです。2つ目は、最適な混合プランです。凝集塊を効率的に分散させる混合プランをご利用ください。3つ目は、適切な原薬の粒子サイズにするです。この設定が含量均一性の確保効果につながります。

原薬の粒子サイズは、均一に分散できる粒子数を得るために、適切なサイズを計算することが可能です。例えば、含量1㎎の場合、原薬の粒径は60ミクロン以下に設定することが推奨されます。そのため、低含量処方は、原薬の微粉化が望ましいです。

以上のことから、直打用添加剤により含量均一性を確保するメカニズムは、極めて良好な流動性にあります。流動性の高い粒子は、混合する時に、ボールミルのような解凝集効果を果たし、いい含量均一性を与えます。また、表面のポーラス構造が、原薬の微粒子を挟み込むことによって、混合の安定性を向上させます。されに、均一に分散する粒子数を得るための適切な原薬の粒子サイズは、含量均一性の確保には欠かせません。

以上は、含量均一性確保への対策第一回目 ラクトースの粒子設計と原薬の粒子径についての紹介となります。